問題講評【倫理、政治・経済】
1.総評
- 【2014年度センター試験の特徴】
-
・2単位科目「倫理」「政治・経済」との共通問題が中心だが、「倫理、政治・経済」独自問題が1問出題された。
・出題分野については、ともに昨年から変更はなく、両科目の履修領域が網羅されていた。前半の第1問から第3問までが「倫理」、後半の第4問から第6問までが「政治・経済」からの出題で、50点ずつ出題された。
・設問数に変更はなかった。語句選択問題の増加、2行文章選択問題の減少などがみられたが、形式面において大きな変化はなかった。『倫理、政治・経済』独自問題が1問出題されたが、特別な対応が必要な問題というわけではなく、受験生にとって大きな影響はなかったと考えられる。基本的には昨年のセンター試験に準じた出題であった。ただし、倫理分野での難問数が昨年から減少し、標準的な設問が多かったほか、政治・経済分野では昨年並の難易度であったことから受験生にとっては昨年よりも取り組み易くなった。また、2単位科目「政治・経済」との一部の共通問題において、『倫理、政治・経済』のほうで配点を低く設定されているが、平均点に与える影響は限定的であった。先述の倫理分野の易化により全体的な難易は昨年よりも易化した。
2.全体概況
【大問数・解答数】 | 大問数6、解答数39は昨年から変更なし。「倫理」で独自の問題が1問出題された。 |
---|---|
【出題形式】 | 語句選択の問題が2問増加して3問に、2行の文章選択問題が4問減少して19問になったほか、6択の問題が3問減少して1問になった。 |
【出題分野】 | 「倫理」および「政治・経済」の各分野から網羅的に出題された。「倫理」では源流思想の設問は今年も他分野の大問にちりばめられる格好となった。「政治・経済」では国際分野の出題は昨年並であった。 |
【問題量】 | 昨年並。 |
【難易】 | 昨年より易化。 |
3.大問構成
第1問 | |||
---|---|---|---|
出題分野・大問名 | 配点 | 難易 | 備考 (使用素材・テーマなど) |
経済活動と公正 | 14点 | やや易 | 青年期、現代の諸課題 |
第2問 | |||
出題分野・大問名 | 配点 | 難易 | 備考 (使用素材・テーマなど) |
日本の自然観 | 18点 | やや易 | 日本思想・源流思想 |
第3問 | |||
出題分野・大問名 | 配点 | 難易 | 備考 (使用素材・テーマなど) |
想像力の働きと思想・芸術活動 | 18点 | 標準 | 西洋思想・源流思想 |
第4問 | |||
出題分野・大問名 | 配点 | 難易 | 備考 (使用素材・テーマなど) |
戦後の日本社会と国際化 | 14点 | やや易 | 政治・経済・国際政治・国際経済 |
第5問 | |||
出題分野・大問名 | 配点 | 難易 | 備考 (使用素材・テーマなど) |
経済のグローバル化と格差 | 18点 | やや易 | 経済・国際経済 |
第6問 | |||
出題分野・大問名 | 配点 | 難易 | 備考 (使用素材・テーマなど) |
日本国憲法と国民の政治参加 | 18点 | 標準 | 政治 |
4.大問別分析
第1問「経済活動と公正」(青年期、現代の諸課題)
● 「フェアトレード」をテーマとした会話文から、青年期分野、現代の諸課題分野、現代思想、日本思想、西洋思想分野の各思想が扱われた。
● 問1は、苦しむ人々に対する支援という一つのテーマについて、分野を横断した5択の選択肢から選ぶ問題。正答の片山潜が、キリスト教に基づく人道主義の立場であると理解していれば判断できる。
● 問2は、オルポート、マズロー、エリクソンの思想を具体的事例に当てはめて考えさせる問題。イの事例がオルポートの「成熟した人格の特徴」に該当すると判断するのが難しいが、エリクソン、マズローの順に確定していけば解答できる。
● 問3は、センの「グローバル化をどう考えるか」の資料読み取り問題。資料後半をしっかり読解することが求められたが、センの基本的知識があれば、消去法でも解答できる。
● 問4は、社会主義思想についての組合せ問題。空欄aとbが「空想的社会主義」のことだとわかれば易しい。
● 問5は、葛藤状況について、レヴィン、シュプランガー、防衛機制、ヤマアラシのジレンマについて問う問題。「ヤマアラシのジレンマ」についておさえられているかどうかがポイントであった。
第2問「日本の自然観」(日本思想・源流思想)
● 「日本の自然観」をテーマに、日本思想が網羅的に出題された。一部、源流思想分野からの出題もみられた。
● 問1は、倫理の学習ではあまり取り上げられない薫仲舒の資料読み取り問題。たとえ、薫仲舒を知らなくとも文章中の「天の意は仁」などのキーワードから儒者であることが判る。そうした意味で的確に文章を読む力が必要であった。なお、本設問は「倫理」との共通問題ではなく『倫理、政治・経済』独自の設問であった。
● 問2は、源信の思想を問う問題。誤答選択肢が空也、慶滋保胤、一遍と明確なので、消去法で解答できる。
● 問5は、二宮尊徳の思想を問う問題。正答にキーワードがなく、「推譲」「天道」「人道」の正確な理解が求められた。
● 問6は、南方熊楠の思想を問う問題。誤答選択肢が柳田国男、折口信夫、田中正造と明確であり、平易であった。
第3問「想像力の働きと思想・芸術活動」(西洋思想・源流思想)
● 「西洋近現代思想や芸術活動のなかの想像力」をテーマに、西洋思想のトマス・モア、カント、ゲーテなどについて出題された。一部、源流思想分野からの出題もみられた。
● 問1は、欲望について、パウロ、アウグスティヌス、イエスの考え方を問う組合せ問題。パウロの「救済は福音への信仰によるほかにない」の判断に迷った受験生もいただろう。キリスト教思想の正確な理解が求められた。
● 問2は、トマス・モアの『ユートピア』の内容を選ぶ問題。誤答選択肢がアダム・スミス、マキャヴェリ、ホッブズであるとわかるため、平易であった。
● 問4は、カントの著作についての問題。bの『判断力批判』はカントの著作として受験生にはなじみがなかったのではないかと思われる。
● 問5は、ゲーテの資料読み取り問題。ゲーテについての知識がなくても、資料文を丁寧に読み取れば解答できる。
第4問「戦後の日本社会と国際化」(政治・経済・国際政治・国際経済)
● 政治分野・経済分野からの出題。日本の政治や経済についての幅広い知識が問われた。
● 問1は、行政の活動にかかわる制度や行政を担う公務員について問われた。国家公務員の給与が、人事院の勧告によって決められていることが理解できていれば、難しくはない。
● 問2は、裁判員制度や情報公開法、NPO法などについて問われた。裁判員制度の基本的な内容を整理しておく必要があった。
● 問3では、日本の国際収支の推移について問われた。所得収支が常に黒字であることが理解できていれば、正答を選べる。国際収支の推移と日本経済の動向を結びつけて考える力が求められた。
● 問4は、日本における環境保護についての法制度や裁判について問われた。環境アセスメント法について理解できていれば、積極的に正答を選べた。
● 問5は、EUについて問われた。EUの統合の過程を理解していれば、正答を判断することは難しくなかった。
第5問「経済のグローバル化と格差」(経済・国際経済)
● 経済分野・国際経済分野からの出題。経済主体、金融、需要・供給曲線など、経済に関する知識が幅広く問われた。
● 問1は、日本における年金制度について問われた。年金制度の問題点について理解していれば、誤りのポイントに気づくことができた。
● 問2は、経済主体に関する問題。企業の資本提携をイメージできれば正答を選ぶことができた。
● 問3は、各国における、総所得に占める階級ごとの所得シェアについての資料読み取り問題。選択肢と資料中の数値を一つずつ照らし合わせていけば、正答にたどりつけた。
● 問4は、金融政策について問われた。「基準割引率および基準貸付利率」がかつて公定歩合と呼ばれていたものであることがわかれば、公開市場操作の手段としては用いられないことが判断できた。
● 問5は、需要・供給曲線に関する問題。財の輸入を増加させる要因について、選択肢と照らし合わせながら検証していくことで、正答を判断することができた。選択肢の条件を需要・供給曲線にあてはめた時、需要・供給曲線がどのように動くのかを正確に判断する力が求められた。
● 問6は、独占禁止法や会社法、株式会社に関する基本的知識が問われた。どの選択肢も基礎的事項なので、迷わず正答を判断したい問題であった。
● 問7は、営利を目的としない組織に関する問題。日本郵政公社が民営化されて、日本郵政株式会社になったということが理解できていれば正答を選ぶことができた。
第6問「日本国憲法と国民の政治参加」(政治)
● 政治分野からの出題。明治憲法に触れたうえで、日本国憲法の原則と制度的枠組みについての基本的な出題であった。
● 問1は、明治憲法下と日本国憲法下における天皇に関する問題。天皇機関説を提唱した人物の著書の発売が禁止されたかどうかを判断するのは難しかったかもしれない。しかし、その他の選択肢はいずれも基礎的な事項であったため、消去法で正答にたどり着くことができた。
● 問2は、国民主権を具体化している日本の制度について問われた。正答の選択肢は、国民審査についての基礎的な内容であったため、積極的に正答を選ぶことができた。
● 問3は、選挙制度について、表中の数値を利用して政党の獲得議席数を判断する問題。まず小選挙区の当選者は、A党3人、B党2人、C党0人と判断する。次に、選挙区を合併し、獲得票数の比率に応じて議席を配分するため、A党が2人、B党が2人、C党が1人となる。後は選択肢と照らし合わせて正答を判断すればよい。
● 問4は、明治憲法下での帝国議会と、日本国憲法下での国会の違いについて問われた。明治憲法下の帝国議会について、正確に理解しておく必要があった。
● 問5は、1989年から2012年までの衆参両院議員の選挙における投票率の推移に関する問題。衆参両院の選挙における投票率の状況や、それぞれの時期の政治に関する出来事について、正確な理解が求められた。
● 問6は、裁判所の違憲立法審査に関する問題。設問文の内容を正確に理解し、それぞれの選択肢にあてはめて考える力が求められた。
● 問7は、日米安全保障条約に関する問題。最高裁判所が違憲判決を出した裁判については基礎的事項であるため、迷わず正答を判断したい問題であった。
● 「フェアトレード」をテーマとした会話文から、青年期分野、現代の諸課題分野、現代思想、日本思想、西洋思想分野の各思想が扱われた。
● 問1は、苦しむ人々に対する支援という一つのテーマについて、分野を横断した5択の選択肢から選ぶ問題。正答の片山潜が、キリスト教に基づく人道主義の立場であると理解していれば判断できる。
● 問2は、オルポート、マズロー、エリクソンの思想を具体的事例に当てはめて考えさせる問題。イの事例がオルポートの「成熟した人格の特徴」に該当すると判断するのが難しいが、エリクソン、マズローの順に確定していけば解答できる。
● 問3は、センの「グローバル化をどう考えるか」の資料読み取り問題。資料後半をしっかり読解することが求められたが、センの基本的知識があれば、消去法でも解答できる。
● 問4は、社会主義思想についての組合せ問題。空欄aとbが「空想的社会主義」のことだとわかれば易しい。
● 問5は、葛藤状況について、レヴィン、シュプランガー、防衛機制、ヤマアラシのジレンマについて問う問題。「ヤマアラシのジレンマ」についておさえられているかどうかがポイントであった。
● 「日本の自然観」をテーマに、日本思想が網羅的に出題された。一部、源流思想分野からの出題もみられた。
● 問1は、倫理の学習ではあまり取り上げられない薫仲舒の資料読み取り問題。たとえ、薫仲舒を知らなくとも文章中の「天の意は仁」などのキーワードから儒者であることが判る。そうした意味で的確に文章を読む力が必要であった。なお、本設問は「倫理」との共通問題ではなく『倫理、政治・経済』独自の設問であった。
● 問2は、源信の思想を問う問題。誤答選択肢が空也、慶滋保胤、一遍と明確なので、消去法で解答できる。
● 問5は、二宮尊徳の思想を問う問題。正答にキーワードがなく、「推譲」「天道」「人道」の正確な理解が求められた。
● 問6は、南方熊楠の思想を問う問題。誤答選択肢が柳田国男、折口信夫、田中正造と明確であり、平易であった。
第3問「想像力の働きと思想・芸術活動」(西洋思想・源流思想)
● 「西洋近現代思想や芸術活動のなかの想像力」をテーマに、西洋思想のトマス・モア、カント、ゲーテなどについて出題された。一部、源流思想分野からの出題もみられた。
● 問1は、欲望について、パウロ、アウグスティヌス、イエスの考え方を問う組合せ問題。パウロの「救済は福音への信仰によるほかにない」の判断に迷った受験生もいただろう。キリスト教思想の正確な理解が求められた。
● 問2は、トマス・モアの『ユートピア』の内容を選ぶ問題。誤答選択肢がアダム・スミス、マキャヴェリ、ホッブズであるとわかるため、平易であった。
● 問4は、カントの著作についての問題。bの『判断力批判』はカントの著作として受験生にはなじみがなかったのではないかと思われる。
● 問5は、ゲーテの資料読み取り問題。ゲーテについての知識がなくても、資料文を丁寧に読み取れば解答できる。
第4問「戦後の日本社会と国際化」(政治・経済・国際政治・国際経済)
● 政治分野・経済分野からの出題。日本の政治や経済についての幅広い知識が問われた。
● 問1は、行政の活動にかかわる制度や行政を担う公務員について問われた。国家公務員の給与が、人事院の勧告によって決められていることが理解できていれば、難しくはない。
● 問2は、裁判員制度や情報公開法、NPO法などについて問われた。裁判員制度の基本的な内容を整理しておく必要があった。
● 問3では、日本の国際収支の推移について問われた。所得収支が常に黒字であることが理解できていれば、正答を選べる。国際収支の推移と日本経済の動向を結びつけて考える力が求められた。
● 問4は、日本における環境保護についての法制度や裁判について問われた。環境アセスメント法について理解できていれば、積極的に正答を選べた。
● 問5は、EUについて問われた。EUの統合の過程を理解していれば、正答を判断することは難しくなかった。
第5問「経済のグローバル化と格差」(経済・国際経済)
● 経済分野・国際経済分野からの出題。経済主体、金融、需要・供給曲線など、経済に関する知識が幅広く問われた。
● 問1は、日本における年金制度について問われた。年金制度の問題点について理解していれば、誤りのポイントに気づくことができた。
● 問2は、経済主体に関する問題。企業の資本提携をイメージできれば正答を選ぶことができた。
● 問3は、各国における、総所得に占める階級ごとの所得シェアについての資料読み取り問題。選択肢と資料中の数値を一つずつ照らし合わせていけば、正答にたどりつけた。
● 問4は、金融政策について問われた。「基準割引率および基準貸付利率」がかつて公定歩合と呼ばれていたものであることがわかれば、公開市場操作の手段としては用いられないことが判断できた。
● 問5は、需要・供給曲線に関する問題。財の輸入を増加させる要因について、選択肢と照らし合わせながら検証していくことで、正答を判断することができた。選択肢の条件を需要・供給曲線にあてはめた時、需要・供給曲線がどのように動くのかを正確に判断する力が求められた。
● 問6は、独占禁止法や会社法、株式会社に関する基本的知識が問われた。どの選択肢も基礎的事項なので、迷わず正答を判断したい問題であった。
● 問7は、営利を目的としない組織に関する問題。日本郵政公社が民営化されて、日本郵政株式会社になったということが理解できていれば正答を選ぶことができた。
第6問「日本国憲法と国民の政治参加」(政治)
● 政治分野からの出題。明治憲法に触れたうえで、日本国憲法の原則と制度的枠組みについての基本的な出題であった。
● 問1は、明治憲法下と日本国憲法下における天皇に関する問題。天皇機関説を提唱した人物の著書の発売が禁止されたかどうかを判断するのは難しかったかもしれない。しかし、その他の選択肢はいずれも基礎的な事項であったため、消去法で正答にたどり着くことができた。
● 問2は、国民主権を具体化している日本の制度について問われた。正答の選択肢は、国民審査についての基礎的な内容であったため、積極的に正答を選ぶことができた。
● 問3は、選挙制度について、表中の数値を利用して政党の獲得議席数を判断する問題。まず小選挙区の当選者は、A党3人、B党2人、C党0人と判断する。次に、選挙区を合併し、獲得票数の比率に応じて議席を配分するため、A党が2人、B党が2人、C党が1人となる。後は選択肢と照らし合わせて正答を判断すればよい。
● 問4は、明治憲法下での帝国議会と、日本国憲法下での国会の違いについて問われた。明治憲法下の帝国議会について、正確に理解しておく必要があった。
● 問5は、1989年から2012年までの衆参両院議員の選挙における投票率の推移に関する問題。衆参両院の選挙における投票率の状況や、それぞれの時期の政治に関する出来事について、正確な理解が求められた。
● 問6は、裁判所の違憲立法審査に関する問題。設問文の内容を正確に理解し、それぞれの選択肢にあてはめて考える力が求められた。
● 問7は、日米安全保障条約に関する問題。最高裁判所が違憲判決を出した裁判については基礎的事項であるため、迷わず正答を判断したい問題であった。
● 「西洋近現代思想や芸術活動のなかの想像力」をテーマに、西洋思想のトマス・モア、カント、ゲーテなどについて出題された。一部、源流思想分野からの出題もみられた。
● 問1は、欲望について、パウロ、アウグスティヌス、イエスの考え方を問う組合せ問題。パウロの「救済は福音への信仰によるほかにない」の判断に迷った受験生もいただろう。キリスト教思想の正確な理解が求められた。
● 問2は、トマス・モアの『ユートピア』の内容を選ぶ問題。誤答選択肢がアダム・スミス、マキャヴェリ、ホッブズであるとわかるため、平易であった。
● 問4は、カントの著作についての問題。bの『判断力批判』はカントの著作として受験生にはなじみがなかったのではないかと思われる。
● 問5は、ゲーテの資料読み取り問題。ゲーテについての知識がなくても、資料文を丁寧に読み取れば解答できる。
● 政治分野・経済分野からの出題。日本の政治や経済についての幅広い知識が問われた。
● 問1は、行政の活動にかかわる制度や行政を担う公務員について問われた。国家公務員の給与が、人事院の勧告によって決められていることが理解できていれば、難しくはない。
● 問2は、裁判員制度や情報公開法、NPO法などについて問われた。裁判員制度の基本的な内容を整理しておく必要があった。
● 問3では、日本の国際収支の推移について問われた。所得収支が常に黒字であることが理解できていれば、正答を選べる。国際収支の推移と日本経済の動向を結びつけて考える力が求められた。
● 問4は、日本における環境保護についての法制度や裁判について問われた。環境アセスメント法について理解できていれば、積極的に正答を選べた。
● 問5は、EUについて問われた。EUの統合の過程を理解していれば、正答を判断することは難しくなかった。
第5問「経済のグローバル化と格差」(経済・国際経済)
● 経済分野・国際経済分野からの出題。経済主体、金融、需要・供給曲線など、経済に関する知識が幅広く問われた。
● 問1は、日本における年金制度について問われた。年金制度の問題点について理解していれば、誤りのポイントに気づくことができた。
● 問2は、経済主体に関する問題。企業の資本提携をイメージできれば正答を選ぶことができた。
● 問3は、各国における、総所得に占める階級ごとの所得シェアについての資料読み取り問題。選択肢と資料中の数値を一つずつ照らし合わせていけば、正答にたどりつけた。
● 問4は、金融政策について問われた。「基準割引率および基準貸付利率」がかつて公定歩合と呼ばれていたものであることがわかれば、公開市場操作の手段としては用いられないことが判断できた。
● 問5は、需要・供給曲線に関する問題。財の輸入を増加させる要因について、選択肢と照らし合わせながら検証していくことで、正答を判断することができた。選択肢の条件を需要・供給曲線にあてはめた時、需要・供給曲線がどのように動くのかを正確に判断する力が求められた。
● 問6は、独占禁止法や会社法、株式会社に関する基本的知識が問われた。どの選択肢も基礎的事項なので、迷わず正答を判断したい問題であった。
● 問7は、営利を目的としない組織に関する問題。日本郵政公社が民営化されて、日本郵政株式会社になったということが理解できていれば正答を選ぶことができた。
第6問「日本国憲法と国民の政治参加」(政治)
● 政治分野からの出題。明治憲法に触れたうえで、日本国憲法の原則と制度的枠組みについての基本的な出題であった。
● 問1は、明治憲法下と日本国憲法下における天皇に関する問題。天皇機関説を提唱した人物の著書の発売が禁止されたかどうかを判断するのは難しかったかもしれない。しかし、その他の選択肢はいずれも基礎的な事項であったため、消去法で正答にたどり着くことができた。
● 問2は、国民主権を具体化している日本の制度について問われた。正答の選択肢は、国民審査についての基礎的な内容であったため、積極的に正答を選ぶことができた。
● 問3は、選挙制度について、表中の数値を利用して政党の獲得議席数を判断する問題。まず小選挙区の当選者は、A党3人、B党2人、C党0人と判断する。次に、選挙区を合併し、獲得票数の比率に応じて議席を配分するため、A党が2人、B党が2人、C党が1人となる。後は選択肢と照らし合わせて正答を判断すればよい。
● 問4は、明治憲法下での帝国議会と、日本国憲法下での国会の違いについて問われた。明治憲法下の帝国議会について、正確に理解しておく必要があった。
● 問5は、1989年から2012年までの衆参両院議員の選挙における投票率の推移に関する問題。衆参両院の選挙における投票率の状況や、それぞれの時期の政治に関する出来事について、正確な理解が求められた。
● 問6は、裁判所の違憲立法審査に関する問題。設問文の内容を正確に理解し、それぞれの選択肢にあてはめて考える力が求められた。
● 問7は、日米安全保障条約に関する問題。最高裁判所が違憲判決を出した裁判については基礎的事項であるため、迷わず正答を判断したい問題であった。
● 経済分野・国際経済分野からの出題。経済主体、金融、需要・供給曲線など、経済に関する知識が幅広く問われた。
● 問1は、日本における年金制度について問われた。年金制度の問題点について理解していれば、誤りのポイントに気づくことができた。
● 問2は、経済主体に関する問題。企業の資本提携をイメージできれば正答を選ぶことができた。
● 問3は、各国における、総所得に占める階級ごとの所得シェアについての資料読み取り問題。選択肢と資料中の数値を一つずつ照らし合わせていけば、正答にたどりつけた。
● 問4は、金融政策について問われた。「基準割引率および基準貸付利率」がかつて公定歩合と呼ばれていたものであることがわかれば、公開市場操作の手段としては用いられないことが判断できた。
● 問5は、需要・供給曲線に関する問題。財の輸入を増加させる要因について、選択肢と照らし合わせながら検証していくことで、正答を判断することができた。選択肢の条件を需要・供給曲線にあてはめた時、需要・供給曲線がどのように動くのかを正確に判断する力が求められた。
● 問6は、独占禁止法や会社法、株式会社に関する基本的知識が問われた。どの選択肢も基礎的事項なので、迷わず正答を判断したい問題であった。
● 問7は、営利を目的としない組織に関する問題。日本郵政公社が民営化されて、日本郵政株式会社になったということが理解できていれば正答を選ぶことができた。
● 政治分野からの出題。明治憲法に触れたうえで、日本国憲法の原則と制度的枠組みについての基本的な出題であった。
● 問1は、明治憲法下と日本国憲法下における天皇に関する問題。天皇機関説を提唱した人物の著書の発売が禁止されたかどうかを判断するのは難しかったかもしれない。しかし、その他の選択肢はいずれも基礎的な事項であったため、消去法で正答にたどり着くことができた。
● 問2は、国民主権を具体化している日本の制度について問われた。正答の選択肢は、国民審査についての基礎的な内容であったため、積極的に正答を選ぶことができた。
● 問3は、選挙制度について、表中の数値を利用して政党の獲得議席数を判断する問題。まず小選挙区の当選者は、A党3人、B党2人、C党0人と判断する。次に、選挙区を合併し、獲得票数の比率に応じて議席を配分するため、A党が2人、B党が2人、C党が1人となる。後は選択肢と照らし合わせて正答を判断すればよい。
● 問4は、明治憲法下での帝国議会と、日本国憲法下での国会の違いについて問われた。明治憲法下の帝国議会について、正確に理解しておく必要があった。
● 問5は、1989年から2012年までの衆参両院議員の選挙における投票率の推移に関する問題。衆参両院の選挙における投票率の状況や、それぞれの時期の政治に関する出来事について、正確な理解が求められた。
● 問6は、裁判所の違憲立法審査に関する問題。設問文の内容を正確に理解し、それぞれの選択肢にあてはめて考える力が求められた。
● 問7は、日米安全保障条約に関する問題。最高裁判所が違憲判決を出した裁判については基礎的事項であるため、迷わず正答を判断したい問題であった。
5.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
年度 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2009 |
---|---|---|---|---|---|
平均点 | 60.68 | 67.14 | * | * | * |
6.2015年度センター試験攻略のポイント
● 「倫理、政治・経済」としての特別な対策は必要ないが、「倫理」「政治・経済」の両科目について、ともに十分な学習を積み重ねておかなければ高得点は望めない。両科目をバランスよく学習していくことが望ましい。
● 倫理分野では現代の思想家が扱われることもある。教科書本文にある基本事項を整理することが重要であることは当然であるが、欄外の記述や資料集・用語集などを用いて積極的に周辺知識についてもおさえていきたい。一方、前提となる知識が無くても与えられた設問文や資料文を読み解いて考察することで判断できる問題も出題されている。このような問題はこれまでも「倫理」で幾度も出題されてきたものである。類題演習を通じてしっかりと読解力と考察力を身につけておきたい。
● 「政治・経済」においては、正確な知識が必要となる問題も散見される。これまで統計資料や図版を用いた問題においては、その多くが資料読解力を試されるもので落ち着いて判断すれば正答にたどり着けるものが多かった。今年は基本的な事項を扱いながらも国内と海外の要素を組み合わせて考えたり、選挙制度の仕組みをシミュレートさせるなど応用的に考えさせる一面もみられた。まずは教科書にある原理原則について確実な理解を心がけ、過去問演習等を通じて応用力を培いたい。また、時事に関しては複数の設問において時事的な話題を知っていれば有利になるという問題もあった。時事問題の重要性は高いと考えたい。
データネット実行委員会 駿台予備学校/ベネッセコーポレーション