問題講評
データネット2010
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国語

1.総評

【2010年度センター試験の特徴】 

・大問構成は例年通り。設問数、解答数ともに昨年から変更なし。
・問題文の分量は昨年と比べて大幅に減少したものの、現代文・評論は受験生が読み慣れていないであろう経済学に関する文章であり、古文は場面の展開が読み取りづらい難度の高い文章であったため、全体として昨年よりやや難化。
・全体としてはオーソドックスな出題形式であるが、そのなかでも新たな形式の出題がいくつか見られた。現代文・評論では、問5で全体の内容を踏まえた部分理解、問6で記号の表現効果と全体の構成を問う形が目新しい。また、漢文における、問3の表形式で本文の対応関係を問うた設問や、問5の設問において漢詩を現代語訳付きで引用したものも目新しい出題であった。


 前年度よりも問題文の分量が大幅に増加した2009年度より、分量は大幅に減少したものの、古文を中心として難度の高い文章が出題され、全体として昨年よりやや難化した。また、「適当でないもの」を選ぶ設問が例年より多く全体で3問あり、選択肢の吟味にも時間がかかった。難度が高く時間的負担が大きい出題内容であったため、問題を見てどういう順序でどれだけ時間をかけて解答していくかを計画するなど、冷静な判断が求められた。また、評論や漢文で目新しい出題も見られた。このような目新しい出題に対する対策を事前にとることはできないため、日頃の学習で培われた基礎力・読解力を総動員し、それらを応用して解答することが求められた。2010年度のセンター試験は、時間配分と応用力が勝負の分かれ目だったと言えよう。
2.全体概況

【大問数・解答数】 昨年と比較して、大問数4、各大問の配点50点は変更なし。解答数も36で変更なし。
【出題形式】 評論では、文章の表現に関する問題として、2006年・2007年に出題された文章の構成を問う設問が復活。また、本文に用いられた記号の効果について問う設問があった。古文では、昨年に引き続き、心情変化に関する設問と和歌に関する設問があった。漢文では、設問に漢詩を引用した新しい形式の出題があった。
【出題分野】 近代以降の文章2題(評論・小説)、古文1題、漢文1題という構成に変更なし。
【問題量】 問題文の分量は、評論で1100字程度減少(4200→3100)、小説で900字程度減少(4300→3400)、古文で200字程度減少(1800→1600)、漢文で20字減少(191→171)し、昨年に比べ、全体として大幅に減少した。
【難易】 昨年よりやや難化。
3.大問構成

大問 出題分野・大問名 配点 難易 備考(使用素材・テーマなど)
第1問
現代文・評論
50点
やや難
岩井克人「資本主義と『人間』」
第2問
現代文・小説
50点
標準
中沢けい『楽隊のうさぎ』
第3問
古文
50点
『恋路ゆかしき大将』
第4問
漢文
50点
やや難
黄子雲『野鴻詩的』
4.大問別分析

第1問「現代文・評論」(約3100字)

  • 問題文の出典は、2000年に筑摩書房から発刊された岩井克人『二十一世紀の資本主義論』に所収されている、「資本主義と『人間』」の全文である(なお、この作品の直後に所収されている「マルジャーナの知恵」という作品は、複数の高校教科書で採録されている)。岩井克人は、1947年生まれの経済学者。昨年に引き続き社会論からの出題であるが、経済学者の著作からの出題はセンター試験では目新しい。分量は昨年の4200字から3100字に減少したものの、経済学に関する専門性の高い文章であるため、受験生にとっては難度の高い文章であった。持っている知識には頼れないため、本文の叙述を丹念に追う精緻な読解力の有無が問われた。また、論展開の切れ目で一行空いた文章が近年続けて出題されていたが、今回はそうではなかったため、問題文の文脈から展開の切れ目を判断する必要があった。
  • 問1が漢字設問、問2・問3・問4が部分読解に関する設問であることは例年通り。問5で全体の内容を踏まえた部分理解を、問6(A)で全体の構成を問うという形は、近年のセンター試験で見られた「本文の内容と展開」に関する出題を2設問に分けて問うたものとなっており、目新しい出題であった。
  • 問1の漢字設問は、語彙レベルの高いものが含まれていた2009年度と異なり、標準的なレベルの出題であった。今回の5題のなかでは(イ)「扶助」と(ウ)「滞留」が比較的難しい。(ウ)の選択肢は訓読みのものであるが、2009年度にはなかった訓読みの出題が復活したことも特徴的であった。
  • 問2は、センター試験第1問の問2らしいオーソドックスな出題で、確実に得点しておきたいものであった。ただし、「商業資本主義」と「産業資本主義」との対比を正確におさえたうえで選択肢を吟味できなければ、誤答選択肢2と迷ったかもしれない。
  • 問3は、本文の抽象的な内容を具体的に説明したものを選ぶ設問。具体例を選ぶ設問は、2006年度以来の出題である。選択肢はそれぞれ、傍線部中にある「技術」「通信」「広告」「教育」「娯楽」をテーマに作られているので、何を判断基準として選択肢の内容を吟味すればよいか受験生にとっては難しかったであろう。傍線部前後の文脈を読み取れば、「差異」というキーワードが論の中心とされていることがわかる。「差異」について述べているものは選択肢5のみなので、これが正答だとわかる。論の中心となっているものが何かをしっかり把握したうえで、解答することが求められた。やや難しめの出題であった。
  • 問4は、傍線部「伝統的な経済学の『錯覚』」の「錯覚」の内容を問うた設問。正答選択肢5の前半の内容は傍線部の直前の内容を踏まえたものであるが、後半の「労働する主体を利潤の源泉と認識」については、本文全体で述べられている「商業資本主義」と「産業資本主義」の概念の理解が試されており、文章の広範な読み取りが必要であった。
  • 問5は、部分理解の設問であったが、設問文に「本文全体の内容に照らして」という文言があるのが特徴的。3行選択肢であるが、文章の内容をおおまかにつかめていればそれほど迷わずに正答を選べたであろう。ただし、設問文の文言に引きずられて、問題文前半の内容を含んだ選択肢を正答だと安易に判断してしまうと、選択肢1を選んでしまう。あくまで傍線部分の解釈の問題であることを念頭において解答する必要があった。
  • 問6は(@)でダッシュ記号「――」の効果を問い、(A)で文章の構成を問うという目新しい形式での出題。 (@)は、「適当でないもの」を選ぶ設問であり、表現効果の多義性について問うたものであった。このような表現効果についての設問は、「国語表現」に関わる出題を重視する傾向の表れと考えられる。(A)は、問題文全体の構成を正確につかんでいれば、迷う選択肢はなく、それほど難しくない。問5と問6(A)であわせて12点という配点が設定されており、これは、センター試験においていかに問題文全体の内容や構成を理解することが大切か、ということを示していると言えよう。

    第2問「現代文・小説」(3400字)

  • 問題文の出典は、2000年に新潮社から出版された中沢けい『楽隊のうさぎ』である。この作品は、公立高校入試などでよく使われている。本試験における現代の女性作家からの出題は、2006年度以来である。問題文は6頁にわたっているが、会話文が多いので実字数は昨年よりも900字程度減少している。一部時間の流れが前後した箇所があり場面展開の把握に注意を要したものの、分量が少なくなったうえ、使われている語彙レベルが高くないため、受験生はそれほど苦と感じずに読み進めることができたであろう。吹奏楽に打ち込む中学生・克久の様子や、母親と克久との関係のなかで描かれている「登場人物の心情」を読み取る力が求められた。
  • 出題はオーソドックスな構成で、問1で語句の意味を問い、問2から問5にかけて問題文の部分的な理解を問うている。問6は近年出題され続けている表現問題であるが、今回は「文章の叙述の説明として適当でないもの」を選ぶ設問となっていた。
  • 問1は、語句の意味に関する設問であるが、昨年の「はかは行かず」のように、語彙レベルの高いものはなく、昨年よりも易しい。3題あるなかで(イ)の「権化」がやや難。傍線部前後の表現からだけでは選択肢1や3も当てはまると考えられるので、辞書的な意味を正確に頭に入れていないと正答できないものであった。
  • 問2は、「音が音楽になろうとしていた」という抽象的表現の内容について問うた設問。傍線部直前に「つまり」とあるので、その前の第一段落、第二段落の内容を踏まえて選択肢を吟味すればよい。特に「枯れ草の匂い」「大きな哀しみ」という表現に着目すれば正答が選べる。
  • 問3は、克久の心情に関する設問。誤答選択肢5は、「十分に練習をしてきたつもりでいた一年生だったが、・・・・・・他校の堂々とした演奏を聴き、自信をもって演奏できるほどの練習はしてこなかったと気づいた」という「いかにもそれらしい」内容となっている。傍線部前後の内容から、自分たちより優れた学校の演奏を目の当たりにすることで、演奏技術における「優劣」が厳然と存在することを痛感した克久が、それによって子どもから大人へと内面的に成長する様子を読み取ることができれば、難なく選択肢1を選ぶことができた。
  • 問4は、「初めて会った恋人同士のような」という表現を解釈する設問。息子が今までとは違う世界に踏みだそうとしている状況であることを前提とし、傍線部直後の「百合子も克久もお互いを知り過ぎていた」を踏まえると、傍線部は、「(互いのことをよくわかり合っているはずなのに、)『初めて会った恋人同士』=『(こういう雰囲気ははじめてで)どう振る舞えばよいかわからない』状態」を表していると考えられる。誤答選択肢1と正答選択肢2は内容の方向性が近く、迷った受験生が多かったかもしれないが、選択肢1は、「好意を相手にきちんと伝えたい」「当たり障りのない話題しか投げかけられず」が誤り。
  • 問5は、克久の母・百合子の視点からの設問。3行選択肢であるが、問題文の内容から「克久の成長を実感する母親の心情」が読み取れていれば、難なく選択肢2と4に絞ることができる。あとは選択肢2・4の中身を細かく吟味すれば正答を選ぶことができた。
  • 問6は、例年通り表現の問題であるが、選択肢3が「表現」ではなく「叙述」の説明になっているためか、設問文には「文章の叙述の説明」と表記されている。6択のうち2つ選ぶ形式は例年の出題傾向を踏襲している。誤答選択肢5のように正誤の判断に迷うものも含まれているが、設問文で「適当でないもの」を選ぶように指示されているため、「明らかにそう解釈できないもの」を選ぶことが求められた。なお、選択肢4・5・6で、頁数が示されているのはこれまでになかった形であった。

    第3問「古文」(1600字)

  • 『恋路ゆかしき大将』は、中世に成立されたとされる擬古物語。登場人物が多く、場面の読み取りがかなり困難であった。さらに和歌が6首もあり、なかにはその内容の解釈にあたり地の文を手がかりにすることが難しいものもあった。また、注は多く付されているが、読解の助けとなるものは少なかった。受験生にとっては、限られた時間内で読解することが難しかったであろう。
  • 問1は古語に関する設問、問2は文法に関する設問、問3・問5は内容読解に関する設問、問4は和歌の内容に関する設問、問6は内容合致の設問であった。傍線部が少ないのは、昨年を踏襲した形となっている。最近では2008年度に出題された文学史に関する設問は、昨年に続いて出題がなかった。
  • 問1は、例年同様古語に関する出題であった。(ア)は「まぼり」「奉ら」「まほし」、(イ)は「まめ」「まみ」がポイント。(ウ)は、「つきしろひ」が難しいが、「煩ひ」「聞こえ」で解答できたであろう。
  • 問2は、問1で敬語の意味を問うているためか、敬語に関するものではなく、用言と助動詞を対象としたものであった。c が難しいが、a・b・dは容易に識別できるため、確実に得点しておきたい設問であった。
  • 問3は、傍線部直後の内容をヒントにして、選択肢2と3まで絞れても、最終的に判断するのは困難。正答選択肢3の「いつも落ち着いている恋路大将」については、問題文6行目の「よろづのことに騒がず鎮まる御心」が該当箇所に当たる。しかし、傍線部から離れているため、ここを根拠として解答できた受験生は少なかったであろう。また、注3に誘導されて誤答選択肢4を選んでしまった受験生もいたであろう。 
  • 問4は、和歌の内容に関する設問。6首の和歌をそれぞれ正確に解釈する力が求められた。「適当でないもの」を選ぶ設問は、5択のうち4つは正しいので、選択肢を読むことで読解の助けとなる効果が期待できる。しかしながら、この設問は、地の文の読解が難しく、根拠をもってそれぞれの選択肢の正誤を判別することが難しかったため、かえって混乱した受験生が多かったであろう。
  • 問5は、恋路大将の心情の変化を問うた設問。文章解釈の困難さに加え、問3・問4に難度の高い設問があったため、十分時間をかけて選択肢を吟味することは難しかったであろう。傍線部から2行前の「そぞろなる」と、傍線部中の「をこがましう」に着目し、その意味が踏まえられているものを考えれば、選択肢1を選ぶことができた。落ち着いてポイントとなる箇所を見極めることができれば正答を選ぶことができた。
  • 問6も、問5同様で、選択肢の内容を十分に吟味する時間はとりにくかったであろう。なかでも誤りの箇所が細かく、判断が難しいのは誤答選択肢1であった。選択肢1の「帝は中宮のところにお泊まりになり」は、問題文2行目にある「下りさせ給ひける」の主語を誤って記載した内容となっている。

    第4問「漢文」(171字)

  • 詩の学び方を論じた評論文からの出題。昨年も評論文であったが、2年続けて出題されるのは珍しい。問題文の字数は昨年に比べ20字減少したものの、第二段落の比喩表現の読み取りが難解で、受験生は苦労したであろう。
  • 問1で語句の意味に関する出題がなされ、句法を踏まえた出題が問2と問4でなされた。最後の問6は筆者の主張に関する出題。特筆すべきなのが、問3と問5である。問3は、喩えられているものと喩えているものとの対応を問うもので、その対応関係を示すために表の形式をとっていることが目新しい。問5は、設問において文中に言及されている詩を現代語訳付きで示し、本文の主旨を踏まえた詩の解説として適当なものを選ばせるという、これまでになかった形式であった。戸惑った受験生も多かったであろうが、日頃の学習で培ってきた基本事項や読解力を基にした応用力が試される出題だったと言える。
  • 問1は、語句の意味を問うた設問。(1)の「動(やや)モスレバ」は、あまり目にしない漢字にも関わらず振り仮名が振られていないうえ、選択肢に「みだりに」「とかく」など受験生にとってなじみの薄い語句が並んでいるため、難しい設問であった。(2)も難。「是」を代名詞と考えてしまうと誤ってしまう。傍線部直後の「非ナルハ」に着目して、選択肢5の「正しいこと」を選択することが求められた。
  • 問2は、句法に関する出題であったが、「■(なん)ゾ知ランヤ」(■は言偏<ごんべん>に巨)という反語が受験生にとってなじみが薄いうえ、それが倒置で使われているため、難しい設問であった。「なんぞ〜んや」という読みから反語であることを読み取って選択肢1・3・5に絞り、さらに、「進マント欲スト雖モ」から選択肢5に絞り込むことができれば正答できた。
  • 問3は、上記のとおり、表の形式をとっており、目新しい設問。第二段落の比喩表現が、第三段落中の何を対象としたものかを考える必要があるが、2段落分の内容を正確に読み取らなければならないため、難度は高い。このような表形式の設問は、情報を取捨選択し表にまとめる力を試すものであり、「国語表現」にも通ずるものである。今後も引き続き出題される可能性はあるだろう。
  • 問4は、問2と同様、句法に関する出題。(@)は書き下し文の設問であるが、「如何」という疑問詞と、「当ニ〜ベシ」という再読文字に気付けば、選択肢4が選べた。(@)の正答がわかれば、(A)の解釈は難なく解答できたであろう。
  • 問5は、上記のとおり、設問で漢詩を示し、本文の主旨を問うという目新しい形式の出題。ただし、現代語訳が付いているため、漢詩の意味理解はそれほど問題なくできたであろう。あとは傍線部直後にある「浅近」「易明」に着目できれば正答を選ぶことは難しくない。しかしながら、3行選択肢であるうえ、訳に頼らず漢詩の内容を深く理解しようとすると時間がかかってしまう。冷静に判断して必要な情報だけを読み取っていく姿勢が求められた。
  • 問6は、筆者の主張に関する設問。第一段落で筆者が「杜甫を最上級」としていることを読み取ったうえで、第二段落の比喩を踏まえ、第三段落で何を主張しようとしているかを把握することができれば正答を選ぶことができた。現代文の評論同様に、文章構造を論理的につかみ、最終的に筆者の言いたかったことを理解する力が求められた。
    5.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値) ※2005年度は国語I・IIの平均点です。

    年度 2009 2008 2007 2006 2005
    平均点
    115.46
    121.64
    109.95
    125.52
    119.55
    6.2011年度センター試験攻略のポイント

  • 2010年度は、2009年度よりも問題文の分量こそ減少したものの、全体的に文章が難しいうえ、目新しい設問が多く登場し、解答に時間のかかる出題であった。普段から時間を計って演習に取り組み、ある程度分量のある出題や難度の高い文章であっても、最後まで平常心を保てるように、速読力や読解力を十分に高めておきたい。また、今回の古文のように難解な文章が出題された場合は、先に古文に手を付けて多くの時間を費やしてしまい、ほかの大問において多くの設問が手つかずになる危険性がある。試験本番でどの大問にどれだけ時間をかけるかを、文章の分量や難易などを確認して、戦略を立てて解答を始めることが大切である。
  • 近年のセンター試験では、全大問を通じて、文章の細部を詳細に読解できているかだけではなく、問題文全体の構造を理解できているかを試す出題が多い。「木を見て森を見ず」の読解にならないよう、文全体を頭の中で図式化して構造的にとらえる演習を繰り返し行いたい。
  • 基礎事項は必ず頭に入れておきたい。評論の漢字の設問や、小説の語彙に関する設問などにおいて、難度の高い語句が出題されることもある。たとえ普段の生活ではあまり使わない漢字・語句であっても、教科書や演習で出会ったものについては、辞書などで意味を確認し、用法を含め頭に入れておきたい。古文であれば、古文単語、文法(敬語を含む)、和歌の修辞、古文常識や文学史など、漢文であれば、重要語、再読文字や句法などを繰り返し復習することで、基礎事項を正確に覚えておきたい。
  • 近年の傾向として、「国語表現」に関わる出題が多くなってきた。たとえば今回の漢文の問3のようなものは、前もって対策することはできないため、本番での応用力が試されるものとなっている。たとえ新形式の出題であっても、日頃の学習で培ってきた基礎力や読解力を超えた力を必要とするものではないので、落ち着いて解答し、実力を発揮できるようにしたい。一方で、「国語表現」に関する設問として出題されてきた、評論における論構成、文中の引用や具体例の働きに関する設問、また、小説における表現技法に関する設問については十分な対策を行っておきたい。教科書や問題演習など普段の学習のなかで出会った素材において、「引用や具体例がどのような働きを担っているかを確認する」「文中の表現技法に注意しながら丁寧に読み進める」ということを心がけたい。