大学別分析レポート

近畿地区 医科系/前期日程の募集人員大幅増により全体として競争はやや緩和
近畿地区医学科入試全体の動向
緊急医師確保対策および経済財政改革の基本方針に基づき医学科定員が増加する。また、大阪市立大では後期日程の廃止による前期募集人員の増加もあり、近畿地区の医学科前期募集人員は63人増加する。データネットでは近畿地区医学科前期日程の志望者数は前年比98%と減少しており、全体として競争は緩和される。後期日程は近畿地区では大阪大、奈良県立医大、和歌山県立医大の3大学だけとなり、特に大阪大、和歌山県立医大での高得点層の志望者数が増加しておりハイレベルな競争となる。
大阪大・医(医)のセンター理科2科目化の影響
前後期ともセンター試験で理科3科目から2科目に科目負担減となる大阪大・医(医)では、志望者数が前期で前年比95%、後期で119%となっている。京都大・医(医)の志望者数はほぼ前年並であり流入の可能性は少ないが、センター試験理科3科目めの得点によっては出願先を変更する可能性もあるため注意は必要。
大阪市立大・医(医)<前>の募集人員増加
後期日程の廃止等により前期日程の募集人員が60人から90人に増加する。データネット集計では志望者数が前年比87%と減少しており、このままの出願になれば大幅に競争は緩和されるものと思われる。2008年度入試で同様に後期日程を廃止し、前期日程の募集人員を増やした神戸大、京都府立医大の医(医)も実質倍率がダウンする結果であった。
奈良県立医大、和歌山県立医大の地域枠・県民医療枠の2年目募集


2008年度入試において奈良県立医大は後期日程で地域枠、和歌山県立医大は前期日程で県民医療枠を新設した。奈良県立医大は後期日程であることと、地元生限定のため実質倍率も2.1倍と低倍率であった。和歌山県立医大では全国募集ということもあり約3倍の募集人員である一般枠の志願者数を上回り、実質倍率も7.2倍もの高倍率となった。データネット集計では、和歌山県立医大の県民医療枠で志望者数が減少している。