・大問数や配点、数学I・Aとの共通問題は昨年と変更なし。
・センター試験で頻出である絶対値の問題が出題されなかった。
・図形の問題では、参考図が挿入されるなど、昨年よりも取り組みやすい内容であった。
・一部で、題意の読み取りや思考力を問う目新しい問題が出題された。
出題分野の大きな変更は見られなかった。また、一部問い方が目新しい問題が出題されたが標準的な内容であり、全体として教科書レベルの出題であった。問題量や計算量は昨年に引き続き少なく、平面の図形に参考図が挿入されるなど、取り組みやすい内容であったといえる。センター試験で頻出の絶対値の問題が、今年は出題されなかった。 |
【大問数・解答数】 | 昨年同様、大問数4ですべて必答。第1問〔2〕と第2問は数学I・Aとの共通問題。 |
【出題形式】 | 第3問で参考図が挿入された。今年はマークシートからA〜Gの選択肢がなくなった。 |
【出題分野】 | 数学Iの全ての分野から出題。第4問は、目新しい問い方で出題された。 |
【問題量】 | 昨年並。 |
【難易】 | 昨年並。 |
大問 | 出題分野・大問名 | 配点 | 難易 | 備考(使用素材・テーマなど) |
第1問 |
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第2問 |
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第3問 |
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第4問 |
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第1問〔1〕「方程式と不等式」
2次方程式の判別式と解の公式を用いる問題。問題量・計算量は昨年同様少なかった。 | |
与えられた2次関数を、aを用いて正確に表せるかどうかがポイント。 | |
連立方程式の処理に注意すれば、易しい問題である。 |
第1問〔2〕「数と式」
x、yの2次式の因数分解と、式の値を求める問題。 | |
作業量が少なく、配点が5点+5点と大きい。 | |
因数分解はいろいろな方法が考えられるが、yについて整理してから考えるとよい。 | |
Aの値を求める際に、yの分母を有理化し、因数分解した式に代入すると計算が容易である。 |
第2問「2次関数」
前半は2次関数のグラフの頂点の座標を求め、さらにx軸と接する条件を求める。 | |
文字の入った形で平方完成を行うが、xの係数が文字の項と定数項で表された関数はセンター試験では定着してきた感があり、問題なく取り組めたのではないか。 | |
後半は閉区間における関数の最小値に関する問題。 | |
aの値の範囲と、そのときの最小値mを場合分けすることが重要。丁寧な誘導がされているので、容易に解答できる。 | |
最後の問題は、単に定義域の両端と頂点のxの値を代入するだけでなく、それによって求められた値がaの値の範囲を満たしているかどうかを吟味することが重要である。 |
第3問「図形と計量」
三角形の3辺から、角度や面積、外接円の半径を求める問題。 | |
余弦定理や面積公式、正弦定理や三平方の定理など三角比の基本事項を問う標準的な内容であった。 | |
参考図が与えられており、前半は取り組みやすくなっているが、後半は丁寧に作図する力が求められる。 | |
O、O´、Mが同一直線上に存在することや、∠OO´D=90°であることに気付くかがポイント。正三角形や二等辺三角形の性質を利用すると、解答を進めやすい。 |
第4問「数と式」
整数部分と小数部分を題材とした問題。 | |
分数や無理数の整数部分を、玉の数で求めさせるという問い方が目新しい。 | |
操作の内容を把握し、計算をきちんと進めていけるかどうかがポイント。整数部分や小数部分の理解、無理数の計算に加えて、問題の題意を読み取る力が要求された。 | |
(2)では同じ計算が繰り返されており、計算量としてはやや多い。 | |
(2)の3回目まで計算を進めると元の値に戻るため、この周期性を利用すれば11回目の結果を容易に求めることができる。 |
年度 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 |
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数学Iは昨年同様、基本的な問題や標準的な内容で構成されているため、まずは教科書の基本事項や例題で基礎学力を定着させることが大切である。 | |
標準的な内容であるが目新しい問い方の問題が出題される可能性があるため、問題文で問われている内容を正確に把握し、立式できる対応力を身につけておきたい。 | |
例年数学Iの幅広い分野が出題されており、今年度出題されなかった絶対値の問題は、センター試験で頻出であるので、演習を重ねておきたい。 | |
文字や無理数を含む式の計算でミスをしないよう、日頃から丁寧な計算を心がけたい。 |